過去には中継ぎ投手が最多勝に輝いたことも!勝利投手になる条件まとめ

過去には中継ぎ投手が最多勝に輝いたことも!勝利投手になる条件まとめ

プロ野球の見どころの一つがタイトルレース。中でも、各球団のエースが鎬を削る「最多勝争い」は最注目レースの一つですよね!とはいえ、プロ野球の勝ち投手の権利っていまいち仕組みが分からないという人もいる模様。

今回は、勝利投手になる条件について紹介しますよ。

勝利投手 条件は?

「勝利投手」は野球の試合において、勝利チームの責任投手のことを指します。最も勝ちに貢献した投手、勝ちに直結する活躍を見せた投手というイメージが近いと思いますが、単に

一番長く投げて一番抑えた投手が勝利投手になれるわけではありません。勝利投手 条件を細かく見ていってみましょう。

原則

原則としては、自チームがリードした時に投球していた投手に勝利投手の権利が発生します。例えば、Aチームのa投手が登板した際に、a投手が登板している間にAチームがリードを奪うとa投手が勝ち投手の権利を得ることになります。この権利は、Aチームが追いつかれない限りは消えることはありません。Aチームが先に10点取っていれば、a投手が後から9点取られてもa投手の勝ち投手の権利は健在となりますよ。

別の投手が追い付かれても元の投手の権利はなくなる

しかし、Aチームが追いつかれた瞬間a投手の勝ち投手の権利はなくなります。これは、追いつかれた時に登板していたのが、a投手からマウンドを引き継いだb投手だったとしても同じです。a投手がマウンドを降りた後にb投手の失点でAチームが追いつかれ、その後もう一度Aチームがリードした場合は、勝ち投手の権利はa投手に復活……することはありません。リードした時に投球していた投手に、新たに勝利投手の権利が発生しますよ。b投手が追い付かれた後も味方のリードまで投げ続けていた場合は、b投手に権利が発生するというわけです。

投手に代打が出た場合の権利は?

ここまで「リードしていた時に投球していた投手」という表現をしてきましたが、正確には「リードを奪った直前に投球していた投手」とした方が適切かもしれませんね。どういうことかというと、「6回表をAチームのa投手が投げ終え、6回裏にAチームがリードを奪い、7回表の頭からb投手が投げ始めた」場合も、勝利投手の権利はa投手に発生するということです。これは、DH制のないセ・リーグの試合でAチームがリードを奪う前にa投手に代打を出し、a投手がチームの勝ち越し前に試合から退いた場合でも同じですよ。

先発投手は5回を投げなければならない

ただ必ずしも原則通りに勝ち星がつくわけではありません。先発投手は5回を投げ終えないと勝ち投手になれないというルールがあるのですね。試合の半分は投げることが先発としての責任、ということなのでしょうか。ちなみに、降雨コールドなどで勝利チームの守備が6回未満だった試合では、特例として4回を投げれば先発投手に勝ち投手の権利が発生しますよ。激レアな状況ですが、実際にこのルールが適用された事例もあります。

消えた勝ち投手の権利はどこへ?

では、例えば「Aチームの先発、a投手が投球している間にAチームがリードを奪ったものの、a投手が4回で降板した」場合は勝ち投手の権利はどうなるのでしょうか?a投手の後で登板した投手が一人だけならその投手につくのですが、そうでない場合は主に「リリーフ陣で一番長いイニングを投げた投手」に勝ちがつきます。しかしリリーフ陣が投げたイニング数に差があまりない場合は「最も効果的な投球をしたと公式記録員が判断した一人の投手」に勝ちがつくことに。ここにきて、少し曖昧になりましたね。この時、先に投げた投手が勝ち投手の権利を得やすいという傾向もありますよ。

特例

また、勝利投手の権利については他にも特例がある模様。例えば「Aチームのb投手が、2点リードの6回表2アウトから登板し、前の投手が残していたランナー一人と自分が出したランナー一人を返して同点に追いつかれ、6回を投げ終えた。その後6回裏にAチームが再度勝ち越し、7回頭からc投手が登板した」場合、原則通りであればb投手に勝ち投手の権利がつきそうですが、実際にはb投手に勝ちがつかないこともあるようです。

勝ちに効果的な投球をしないと勝ち投手にはなれない

主に、投球イニングが1イニング未満、更に(自責か否かは問わず)2失点以上した場合は、「勝利に効果的な投球をした投手」とは認められないようです。ただ、先の例が9回表で、9回裏にAチームがサヨナラ勝利した場合であれば、他に勝ち星をつけられる投手もいないのでb投手が勝利投手になります。サヨナラ勝ちの場合は無条件で、勝利チームで最後に投球していた投手が勝利投手になるのですね。

過去には中継ぎ投手が最多勝に輝いた事例も

この通り、先発以外でも勝利投手になる事例はあるため、最多勝利争いに一時的に中継ぎ投手が名を連ねることがあります。勿論、最終的には先発投手が最多勝を獲ることになるのですが……過去に一度だけ、1988年にヤクルトスワローズの伊藤昭光投手が先発登板0回で18勝を挙げ、中日ドラゴンズの小野和幸投手と共に最多勝を獲得していますよ。

最後に

今回は勝利投手になる条件について紹介しました。

ややこしい所もあるルールですが、知っておくと野球観戦が更に楽しくなりますよ!

投稿者 KAI