村上宗隆の逆転サヨナラも!WBCで侍ジャパンが足で見せた神技まとめ

村上宗隆の逆転サヨナラも!WBCで侍ジャパンが足で見せた神技まとめ

日本の世界一で幕を下ろした侍ジャパン WBC 2023。日本がとりわけ盛り上がったのが3月21日の春分の日に行われたメキシコとの準決勝です。それまで大不振に喘いでいた4番村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)が劇的なサヨナラヒットを放った試合です。

そのサヨナラヒットの影の立役者はサヨナラのホームを踏んだ周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)です。野球は特性上、投球や打撃に注目が集まりがちですが、WBCでの日本代表(侍ジャパン)の戦いを振り返ると「走塁」で勝ちをもぎ取った試合もありました。

そこで今回はWBCで侍ジャパンが足で見せた神技をご紹介します!

WBCで侍ジャパンが足で見せた神技

日本代表が足で勝ちをもぎ取った試合は

  • 2013年第3回大会、台湾戦 
  • 2023年第5回大会、メキシコ戦

の2試合が挙げられます。

順番に紹介していきます。

2013年第3回大会、台湾戦

3回大会の台湾戦はまさに盗塁によって勝ちをもぎ取った試合です。

多くのメジャーリーガーが出場を辞退し、NPBの選手のみで挑んだこの大会は、予選リーグ1時ラウンドから接戦続き、薄氷の勝利が続きます。

2次ラウンド初戦の台湾戦でも、苦戦を強いられます。ニューヨーク・ヤンキースで最多勝となったこともあるワン・ジエンミンに7回まで無得点に抑えられ、8回表に同点とするも、その裏の攻撃で再び勝ち越されてしまいました。

あとがなくなった9回表、日本は一死から鳥谷敬が四球で出塁。その後、二死となったところで、井端弘和が打席に立ちます。この絶体絶命の場面で一塁走者の鳥谷が盗塁に成功。井端がカウント2-2から直球を中前にはじき返して同点とすると、延長10回に中田翔の犠飛で勝ち越した日本は4-3で、劇的かつ薄氷の勝利を収めました。

この試合を制した日本は、次戦のオランダ戦では打線を爆発させ、5回までに4本の本塁打を放ち、7回には坂本勇人(巨人)による満塁弾により16-4のコールドで勝利。3大会連続で決勝トーナメント進出を決めました。

ちなみに、この鳥谷の盗塁に際して実況が発した「鳥谷がスタートしているー!」は現在もWBCでの侍ジャパンのハイライトとして使われています。

2023年第5回大会、メキシコ戦

もう一つの試合は先日行われたメキシコとの第5回大会の準決勝です。大会を通して大不振だった村上宗隆のセンターオーバーのサヨナラヒットが注目されていますが、それは周東佑京の走塁があってこそのサヨナラヒットといえます。

大谷翔平やダルビッシュ有、吉田正尚ら多くの日本人メジャーリーガーが参加した2023年の第5回大会は予選リーグから危なげない試合運びを見せ、準決勝まで進出します。

そして迎えたメキシコとの準決勝。メキシコ代表の先発で普段は大谷のチームメイトであるパトリック・サンドバルら投陣を打ち崩せず、また野手のファインプレーなどもあり、4-5と1点ビハインドで9回裏の攻撃を迎えました。

先頭の大谷が二塁打で出塁すると、続く吉田が四球を選び、無死一、二塁とチャンスを作ります。そこで栗山英樹監督が勝負に出ます。打撃好調の吉田に代わって周東が代走で起用されます。

完璧なお膳立てがなされた状態で打席に入った村上は、メキシコの守護神ジオバニー・ガイエゴスの速球をセンター後方、フェンスに直撃させます。その間に大谷がホームインすると、その約1秒後には周東も続き、逆転サヨナラで劇的勝利を収めました。

この走塁を数字で表すと最速30.4フィート/秒(約9.3メートル/秒)という原付バイク並のスピード(33.48キロメートル/時)で、一塁からホームまで僅か10.20秒(今大会第2位)で、三塁からホームまでは3.08秒で到達しています。

アメリカのアナリストも「ほとんどの選手は、このプレーだと間に合わない」とうなるほどの俊足、走塁でした。

最後に

超一流が揃う侍ジャパン メンバーにおいて、投球や打撃がフォーカシングされがちですが、足を絡めた攻撃で勝ちをもぎ取った試合もありました。

今回ご紹介したようなケースは稀ではあるものの、好走塁からチームに流れを引き込んだり、ボーンヘッドで流れを相手に渡してしまったりするのも走塁の醍醐味といえます。

現在NPBでもMLBでも熱戦が繰り広げられています。記録に残らない走塁にも目を向けてみると野球観戦がより楽しくなるので、ぜひ注目してもらいたいです!

投稿者 KAI